New

① 地理の会巡検23区シリーズ第18回「渋谷区」報告
② 「ジオ展2024」出展報告
 
REPORT

会員の地理活動

ネット公開

1 東日本大震災での高速交通機関の補完関係と復興期における動向
2 公共交通機関による全国市町村役所・役場めぐり
3 海外地理紀行
(項目をクリックするとリンクします。)
 

YouTube公開

公益社団法人日本地理学会地理学のアウトリーチ研究グループYouTube動画ブロジェクトチームによる中高生むけ地理学紹介動画プロジェクトとして公開されました。
「【仕事で地理が生きる】公務員の仕事にも生きる地理のライフワーク」
(クリックするとリンクします。)
 

 本の出版

1「自然災害と大移住」(幻冬社ルネッサンス新書
2「地理マニアが教える旅とまち歩きの楽しみ方」(ベレ出版) 
3「みちびと紀行 街道を歩く一人旅」(Amazon
4 「新版 空の旅の自然学」(古今書院
(出版元をクリックすると紹介ページにリンクします。)
  
 


 
REPORT

活動予定

地理の好きな人々のための巡検及び講演会(外部及びメンバーによる)を開催しています。各行事はメンバー同士のネットワークを広げられる場としても喜ばれています。

 

2024年

3月16日(土)地理の会交流会
♪『春の空想地図カフェで ”地理なひととき”を!』 開催済 
4月19日(金)「ジオ展2024」に出展 開催済
4月21日(日)地理の会巡検23区シリーズ第18回「渋谷区」開催済
8月10日(土)地理の会交流会(オンライン)
「城、城下町特集」
9月〜11月  ジオパーク(地形、地質、地学など)巡検
11月〜12月   地理の会巡検23区シリーズ第19回「荒川区」 
 


 
活動報告

活動報告

過去の活動報告
2023年2022年2021年2020年2019年2018年2017年巡検地一覧


 2024年

地理の会巡検23区シリーズ第18回「渋谷区」

 

テーマ 
渋谷区は、これまで地理的に様々な形で取り上げられてきました。地理の会でも過去に一度、代官山の巡検を開催しました。そこで今回は、地形観察の宝庫といわれながらあまり取り上げられてこなかった概ね水道道路付近から小田急線の北側までの、知られざる渋谷区北部を歩きました。そして、住宅街や商店街に残る坂、土地の起伏、暗渠など地域の現勢を手掛かりに、台地と川の作る都市地形とその原初的形態、都心に近いまちの地域特性とその変貌を参加者とともに読み解いていく学びの一歩としました。
 
1.日時:2024年4月21日(土)13:00-16:00 
  
2.参加者:15名 
  
3.巡検行程: 
約7.5kmの歩行・鉄道移動距離、約3時間の移動時間、約18.6mの高低差 
 
① スタート:京王線初台駅

  • 参加者紹介の後、今回の巡検の行程について案内者より説明がありました。

 
② 河骨川(春の小川)最上流部

  • 歩いた場所は、住宅地・舗装道路化され、小川が流れていたところだったとは想像できませんでした。
  • 河骨川は渋谷川の支流である宇田川に合流します。戦後は生活排水による悪臭が問題になり、1964年の東京オリンピックを機に暗渠化されました。名前の由来はコウホネ(クリックするとリンクします。)が咲いていた場所であることからで、唱歌『春の小川』のモデルとされ、作詞の高野辰之は川がある周辺に住み、農村の小川のようなのどかな風景が存在していました。

 
③ 玉川上水暗渠・京王線軌道跡

  • 木々が植えられて、道幅も広い遊歩道で、都会のオアシス的な場所でした。
  • 玉川上水旧水路緑道(クリックするとリンク)は、延長約6キロメートルの都市公園になっています。
  • 京王線は、車が増えるにつれて新宿西口の京王新宿駅から文化服装学院までの甲州街道上の併用軌道が問題になり、新宿~初台間の地下鉄化と新宿駅の地下化工事が開始され1963年(昭和38年)に完成させました。その後1978年、さらに新宿~笹塚間は複々線となり、初台、幡ヶ谷を通る各駅停車線は地下化された京王新線と呼ばれ、今日に至っています。

 
④ 甲州街道

  • 首都高速道路と甲州街道を横断しました。
  • 幡ヶ谷台地には、玉川上水と並行して、江戸幕府によって整備された五街道のひとつで、甲斐国へつながる甲州街道が通っています。

 
⑤ 旗洗池跡

  • 道路とビルの間のスペースに案内板と石碑がありました。
  • ここには、神田川笹塚支流に注ぐ自然の湧水の池があったといいます。後三年の役の後、源義家が上洛するときに、この池で白旗を洗って傍らの松にかけて乾かしたという伝説があり、また幡ヶ谷という地名の由来になったとのことです。

 
⑥東京オペラシティ(旧・東京工業試験所)

  • この辺りの道を歩いていると、「東京オペラシティビル」や新宿副都心の高層建築群が必ず目に入ってくる風景でした。
  • オペラシティは、新国立劇場および、民間の超高層ビル「東京オペラシティビル」(東京オペラシティタワー)で構成されている複合文化施設です。当地にはもともと、旧通産省東京工業試験所(新国立劇場部分)が存在しました。

 
⑦幡ヶ谷不動尊(荘厳寺)

  • 都会の中では、広い敷地を有するお寺でした。
  • 創建は1561年で、荘厳寺(しょうごんじ)は、一般には幡ヶ谷の不動様、幡ヶ谷不動尊などで知られています。
  • また、みちしるべ(クリックするとリンクします。)として常夜燈が置かれています。

 
⑧不動通り商店街

  • 幡ヶ谷不動尊(荘厳寺)の前の道路は「不動通り」と呼ばれ、古くから不動尊への参道としてにぎわい、現在は商店街 「不動通り商店街」となっています。

 
⑨神田川笹塚支流暗渠遊歩道

  • 緩やかな坂を下ると、家の間を抜けていく遊歩道に遭遇しました。
  • 笹塚・幡ヶ谷をへて西新宿へと流れていた「神田川笹塚支流(和泉川とも呼ばれる)」の暗渠の遊歩道です。

 
⑩旧本町小学校と地蔵橋(本町学園第2グラウンドの複合施設:建設中)

  • 遊歩道を歩いて、学校のグラウンドの門前に橋の跡地を見つけました。
  • 旧本町小学校の脇には地蔵橋という橋が架かっていたため、付近では「地蔵川」と呼ばれていたという伝承があります。しかし渋谷区の歴史資料には一切その名前は記述されていません。

 
⑪本村隧道

  • 遊歩道を離れて南に向かって、広めの道路の下部にトンネルを見つけました。
  • 玉川上水新水路の1892年(明治25年)12月着工後、本村隧道も1893年(明治26年)4月14日に着工し、同年7月20日に竣工しました。その外観はパルテノン神殿を彷彿とさせる荘厳な造りをしており、全幅は5m、有効高は3.4mです。

 
⑫水道道路

  • 広めの道路は、かつての水の通り道として真っ直ぐに伸びた整備されている道路でした。和泉給水所から淀橋浄水場を結んでいた玉川上水新水路の跡を埋め立ててつくられたため、水道道路と呼ばれています。

 
⑬都営本町一丁目アパート

  • 水道道路が用水路の役割を終えてからは、住宅不足解消のため空地に住宅建設が行われました。戸建ての公営住宅であったものも、昭和30年代以降に鉄筋の集合住宅に近代化され、この都営アパートもそのうちの一つです。1973年建設の48戸。堤防状の水道道路の道路脇の幅の狭い土地を最大限利用して細長く建てられています。

 
⑭本町隧道(本町ずい道公園)・六号通公園

  • 本町ずい道公園・六号通公園で休憩しました。
  • もともと3か所あった隧道のうち1か所は廃止され、2ヵ所が残っていましたが、道路拡幅により本町隧道も1975年(昭和50年)に新トンネルとなったため、当時の姿で現存するのは本村隧道のみです。

 
⑮六号通り商店街

  • 京王線幡ヶ谷駅に向かう、「六号通り商店街」を通りました。
  • 玉川上水新水路には、この橋を含め16の橋が架けられており、この橋が新宿方面から数えて6番目の橋であったことから「六号橋」と命名され、六号橋がある道路を「六号(橋)通り」と呼ぶようになりました。

 
⑯  京王線乗車

  • 幡ヶ谷駅で京王線に乗車して、笹塚駅まで移動しました。

 
⑰玉川上水跡・遊歩道・笹塚橋・旧三田用水取水口

  • 笹塚駅南口を降りたったところから、暗渠部が続いていた玉川上水が一部、開渠が保存されていました。
  • 再び暗渠になる地点に旧三田用水の取水口があります。三田用水は、現在の港区南東部エリアの飲用水として、1664年に開通しました。用水は現在の世田谷区北沢で玉川上水から分水し、世田谷区、渋谷区、目黒区、品川区を経て港区高輪に至り、そこからさらに地下に埋められた木樋で港区芝に至る、全長10kmほどの水路でした。

 
⑱消防学校前・玉川上水跡・遊歩道・常盤橋

  • 五條橋から消防学校前(常盤橋)まで、玉川上水跡地を歩きました。
  • 笹塚橋から東に住宅地を常磐橋まで歩くと笹塚橋では南に向かっていた遊歩道が常磐橋では北に向かっており玉川上水がU字に屈曲していることが実感されました。
  • 武蔵野台地末端の淀橋台の端には、南西から北東に続く浅い谷筋があり、神田川支流にはいくつもの支谷が刻まれています。この付近には「牛窪」と名付けられた谷から、小川が流れ出ていました。淀橋台のもっとも高いところに流れていた玉川上水は、その谷の部分を避けるようにして、Uの字に蛇行しています。

 
⑲代々木大山公園

  • 玉川上水跡地を遊歩道から南へ、緩やかな坂を下り上りして、代々木大山公園で休息しました。
  • 渋谷区立公園のなかで一番大きい公園で、以前は防空小緑地として整備されました。

 
⑳宇田川の谷

  • 緩やかな長い下りの坂を歩きました。
  • かつて西原から初台にかけての一帯は「宇陀野(うだの)」と呼ばれており、そこから流れ出る川ということで宇田川の名がついたといわれています。

 
㉑大山町・西原3丁目邸宅街

  • 坂に沿って、新旧の敷地の広い家並みが続いていました。
  • 東京都渋谷区・旧代々幡町の西部に位置し、世田谷区(北沢)との区境に当たります。町域の北部から東部は西原、南東部から南部は小田急線の線路を境界として上原に接し、高級住宅地区の一つ、「代々木上原」地区に属する町域となっています。

 
㉒ 西原児童遊園

  • 駅近くの小規模集合住宅などに囲まれ曲がりくねった細い暗渠を歩いて行くと、小さな児童遊園地に行きつきました。
  • 尾根道である甲州街道に沿って敷設された京王線と隧道工事を避けて谷筋に沿って敷設された小田急線の対比が分かります。
  • この近辺では、駅南西側の谷からの支流が合流していました。代々木上原駅前から代々木八幡駅近辺にかけての宇田川流域一帯は、かつては「底ぬけ田圃」と呼ばれる低湿地帯で、踏み入った鳥追いが泥に呑まれ溺れ死んだとの伝承も残っているそうです。

 
㉓代々木上原駅前急傾斜地

  • 特に名前の付いた由緒ある坂ではなさそうですが、宇田川の侵食で造られた谷の急坂でした。急坂の頂上からは渋谷駅周辺の高層建築群が望めました。
  • この坂を駆け上るTV(テレビ朝日)映像がありました。全力坂 No.3288 高橋媛 西原三丁目の坂 - YouTube

 
㉔ゴール:代々木上原駅

  • 急坂を下り、小田急小田原線の代々木上原駅に到着しました。

 
 4. 行程地図
上記の巡検行程をアプリ「スーパー地形」を用いて

① 地理院の現在地図

約7.5kmの移動距離(歩行・鉄道)、約3時間の移動時間、約18.6mの高低差

② 今昔地図(1896年〜1909年・明治29年〜明治42年)


③ 地形図

(マウスを地図に合わせると、「地図左右中央をクリックで地図を変更できます。」「地図中央でコメントを確認できます。」さらにクリックすると「地図を拡大できます。」)
  img_9365.png 地理院の現在地図約7.5kmの歩行・鉄道移動距離、約3時間の移動時間、約18.6mの高低差 img_9366.png 今昔地図
(1896年〜1909年
・明治29年〜明治42年)
⑨〜⑩の神田川笹塚支流を確認できます、
③と⑰〜⑱の玉川上水を確認できます、
⑪〜⑭の新上水と淀橋浄水場を確認できます、
㉒の渋谷川水系の宇田川を確認できます、
img_9368.png 地形図神田川笹塚支流と渋谷川水系(河骨川と宇田川)は谷地を流れ、
玉川上水・新上水は台地を流れていたことを確認できます、
尾根道である甲州街道に沿って敷設された京王線と
隧道工事を避けて谷筋に沿って敷設された小田急線の対比が分かります、

 
5.  巡検写真(写真は、10秒毎の自動再生です。)
  img_9800.jpg ① スタート:京王線初台駅参加者紹介の後、今回の巡検の行程について案内者より説明がありました。 img_9802.jpg ② 河骨川(春の小川)最上流部歩いた場所は、住宅地・舗装道路化され、小川が流れていたところだったとは想像できませんでした。 img_9804.jpg ③ 玉川上水暗渠・京王線軌道跡木々が植えられて、道幅も広い遊歩道で、都会のオアシス的な場所でした。 img_9805.jpg ③ 玉川上水暗渠・京王線軌道跡京王線は、甲州街道上の併用軌道が問題になり、この間の地下鉄化を1963年(昭和38年)に完成させました。 img_9806.jpg ④ 甲州街道玉川上水旧水路緑道から首都高速道路と甲州街道を横断しました。 img_9807.jpg ⑤ 旗洗池跡道路とビルのスペースに案内板と石碑がありました。 img_9810.jpg ⑦幡ヶ谷不動尊(荘厳寺)都会の中では、広い敷地を有するお寺でした。
境内から超高層ビル「東京オペラシティビル」を見ることできました。
img_9813.jpg ⑨神田川笹塚支流暗渠遊歩道緩やかな坂を下ると、家の間を抜けていく遊歩道に遭遇しました。 img_9815.jpg ⑩旧本町小学校と地蔵橋遊歩道を歩いて、学校のグラウンドの門前に橋の跡地を見つけました。 img_9816.jpg ⑪本村隧道、北側遊歩道を離れて南に向かって、広めの道路の下部にトンネルを見つけました。 img_9819.jpg ⑪本村隧道、南側遊歩道を離れて南に向かって、広めの道路の下部にトンネルを見つけました。 img_9820.jpg ⑫水道道路広めの道路は、真っ直ぐに伸びた整備されている道路でした。 img_9821.jpg ⑭本町隧道(本町ずい道公園)
・六号通公園
本町ずい道公園・六号通公園で休憩しました。
img_9822.jpg ⑮六号通り商店街京王線幡ヶ谷駅に向かう、「六号通り商店街」を通りました。 img_9823.jpg ⑯ 京王線乗車幡ヶ谷駅で京王線に乗車して、笹塚駅まで移動しました。 img_9825.jpg ⑰玉川上水跡・遊歩道・笹塚橋
・旧三田用水取水口
笹塚駅南口を降りたったところから、暗渠部が続いていた玉川上水が一部、開渠されていましました。
img_9830.jpg ⑱消防学校前・玉川上水跡
・遊歩道・常盤橋
笹塚橋から東に住宅地を常磐橋まで歩くと笹塚橋では南に向かっていた遊歩道が常磐橋では北に向かっており玉川上水がU字に屈曲していることが実感されました。
img_9832.jpg ⑲代々木大山公園玉川上水跡地を遊歩道から南へ、緩やかな坂を下り上りして、代々木大山公園で休息しました。 img_9834.jpg ⑳宇田川の谷緩やかな長い下りの坂を歩きました。 img_9835.jpg ㉑大山町・西原3丁目邸宅街坂に沿って、新旧の敷地の広い家並みが続いていました。 img_9837.jpg ㉒ 西原児童遊園駅近くの小規模集合住宅などに囲まれ曲がりくねった細い暗渠を歩いて行くと、小さな児童遊園地に行きつきました。 img_9838.jpg ㉓代々木上原駅前急傾斜地特に名前の付いた由緒ある坂ではなさそうですが、宇田川の侵食で造られた谷の急坂でした。 img_9840.jpg ㉓代々木上原駅前急傾斜地坂を登り切ったところで視界が開き、渋谷方面の高層ビルを展望しました。 img_9841.jpg ㉔ゴール:代々木上原駅急坂を下り、小田急小田原線の代々木上原駅に到着しました。

 

ジオ展2024出展

1. 日時:2024年4月19日(金)10:00〜17:00
2. 参加方法:展示ブース
3. 出展内容:(当日撮影した写真掲載予定)
1) 展示
①掛け紙から見る駅弁と地理
②地理の会の紹介と巡検地一覧
2) 販売
・会員執筆の書籍(5人・5種)を著者割引販売
 チラシ配付
・地理の会のチラシを制作し配付
4. 成果と所感
・地理の会として初めてブース出展し、多くの方に来場いただきました。会場内は、すれ違うのも難しいような盛況で、来場者数1,072名、ブース出展者数180に上りました(過去最大)。
・地理の会は、非営利団体として活動PRがベースですが、地図や地理への関心を通して、さまざまな来場者と情報交換ができたことは大きな成果でした。また、学生さんの訪問も多く、平均年齢の高い地理の会としては多くの気づきももらいました。