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① 「〜地理の会・空想地図カフェの夕べ〜」を報告
② 2026年活動予定を記載
③ 地理の会巡検23区シリーズ第21回「板橋区」を報告
 
REPORT

会員の地理活動

ネット公開

1 東日本大震災での高速交通機関の補完関係と復興期における動向
2 公共交通機関による全国市町村役所・役場めぐり
3 海外地理紀行
(項目をクリックするとリンクします。)
 

YouTube公開

公益社団法人日本地理学会地理学のアウトリーチ研究グループYouTube動画ブロジェクトチームによる中高生むけ地理学紹介動画プロジェクトとして公開されました。
「【仕事で地理が生きる】公務員の仕事にも生きる地理のライフワーク」
(クリックするとリンクします。)
 

 本の出版

1「自然災害と大移住」(幻冬社ルネッサンス新書
2「地理マニアが教える旅とまち歩きの楽しみ方」(ベレ出版) 
3「みちびと紀行 街道を歩く一人旅」(Amazon
4 「新版 空の旅の自然学」(古今書院
5 「純じゃぱのえいご道中膝栗毛」(文芸社
(出版元をクリックすると紹介ページにリンクします。)
  
 


 
REPORT

活動予定

地理の好きな人々のための巡検及び講演会(外部及びメンバーによる)を開催しています。各行事はメンバー同士のネットワークを広げられる場としても喜ばれています。

 

2026年

2月28日(土) 「〜地理の会・空想地図カフェの夕べ〜
社会科目としての《地理総合》のいま・これから」開催済
4月19日(日) 地理の会巡検23区シリーズ「世田谷区その2」
6月 ジオテーマの巡検
8月 オンラインでの交流会
10〜11月 地理の会巡検23区シリーズ「杉並区」
11〜12月 地理の会30周年記念行事(予定)


 
活動報告

活動報告

過去の活動報告
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巡検地一覧


 2026年

〜地理の会・空想地図カフェの夕べ〜 
「社会科科目としての《地理総合》のいま・これから」

1.日時:2026年2月28日(土)18:00~
 
2.開催場所:地理系ブックカフェ空想地図(駒沢大学駅)
 
3.出席者:15名
 
4.講演:「社会科科目としての《地理総合》のいま・これから」
 
5.講師:井上明日香さん(神奈川県立希望ケ丘高等学校 地理歴史科教諭、地理総合オンラインセミナー運営委員会、地理オリンピック運営委員)
 
6.講演概要
2022年度に高校で必修化された「地理総合」科目に焦点を当てて、現役の高校地理教師である井上明日香さんに「地理総合」開始までの経緯と今後の課題について4年間の実績を踏まえ、4つの観点からご講演を頂きました。
 
1)地理総合必修化までの道のり
2018年告示の学習指導要領に「地理総合」「地理探求」の2科目が記載され、地理の必修化が2022年以降に実現することになります。1982年の「現代社会」必修化などもあり、これまでいかに高校で地理が学ばれてこなかったか、また、その結果がもたらした問題を上げられました。一方で、地理で受験可能な大学が限られるなど、地理の履修率が低い原因について触れられました。このような中、自然災害の多発により防災学習が重要視され、地理総合必修化へとつながっていった過程をご説明頂きました。
 
2)地理総合の特徴とは?
これまでの地理科目と比べ、①GIS ➁EDS ③防災 が重視されており、生徒がそれぞれ主題を設定して追究解決する主題的学習について、例を上げてご紹介頂きました。
 
3)必修化のメリット・デメリット
最大のメリットは全員が学ぶこと。最低限不可欠な地理的見方・考え方を身につけることができ、歴史など他の科目にもメリットがある一方、教科書の記述量の多さ、GIS、アクティブラーニングの授業形態などに加え、地理を専門とする教員の不足などのデメリットについて、現状をお話し頂きました。
 
4)今後に向けて
必修化によりひとまずの目標は達成したものの、地理を教える教員の不足や大学入試での受験科目問題などの課題は残っていることから、解決に向けたアイデアについてもお話し頂きました。
 
※講演の後には質疑応答が行われました。
 
7.出席者の声 :
 
◆ 今回の地理カフェイベントは、4年前の地理必修化によって、新しい地理がどうなるのだろう、という関心(心配?)で非常に気になっていたテーマでした。
当日は、第一線にいらっしゃる井上先生から、地理総合の「メリット」と「デメリット」という視点整理で現在の高校地理の実態を伺い、大変勉強になりました。
なかでも個人的に強く関心を持ったのは次のような諸点です。
・「何を学ぶか」から「どのように学ぶか」を意識すべきというようになったということ。これは地理に限らず、学びや模倣・創造に関して大きな発想転換が教育において求められているのではないかということを感じました。
・生徒に一人1台の端末が行きわたらないことで地理総合の効果が懸念されていたところが、新型コロナ禍によって一気に環境が整ったという話、面白く感じました。
・年間のカリキュラムの進捗度によっては、せっかく「地理総合」が目指している目的が達成できずに1年が終わるということが起きること。年間計画をしっかり立て計画的に熱意を持って取り組む必要があることの重要性を感じました。
・地域調査やフィールドワークの実施率が非常に低いこと。構造的に生徒を屋外へ出すことの難しさはあるにしても、指導教員がいない、あるいは指導できる力がないというのはあまりにも残念です。地理の心髄、学ぶ楽しさを生み出す地域調査やフィールドワークのために教師以外の地域の人材活用や指導者の登用ができないものかと感じました。
充実したレクチャーを受ける機会を設けて頂き、有難うございました。
 
 
◆ 私の頭の中では「日本史」「世界史」「地理」「倫理・社会」の「地理」が必須となった。ですが、そもそもカリキュラムの横断的な組み直しが行われている。受験で「地理」を選べない大学も多い。2021年までは「世界史」が必須だった。GIS教育で苦労する本当の理由。・・・知らないことだらけ。趣味の世界とは異なる、教育現場のリアル。
 
 
◆ 私自身は地理教育の一端に触れられてとても新鮮でした。そもそも地理Aの時代から進化が止まっているので、仕組みの理解からでした。いま、新しい雑誌地図中心が来て、特集が地理教育なので読み始めましたが、地理の先生方が、如何に苦労しながら生徒たちに教科内容を浸透させようとしているか、がよく分かります。地理のあるべき教育方法の本質はなかなか難解だなと思わせる部分もあります。改めて難しいものだな、歴史教育と違うのはやはり2次元、3次元を扱うからなのかなと思っています。
 
 
◆ 自分は地理なんていうのは趣味・道楽の部類のものであり、学科という意識は全くありませんでした。どうでも良いことばかり知っていて、試験は不合格間違いなしでしょう。
しかし井上先生のお話を聞きながら「地理を勉強していれば、ことによると変なポピュリズムに迎合することもなく、間違ったネット情報に乗せられることもなく、さらにはオレオレ被害にも騙されない」ようになるのかも知れないと気が付き、だから「地理」が必修科目になったのかも知れないなどと勝手に想像しました。
なぜならば、わが国の地理的状況、食料品やエネルギーの自給率が極端に低いこと、年間の新生児数が我々同世代の三分の一以下なので50年後は総人口も三分の一以下になってしまうこと、さらには自然災害が起きやすい所にあることなど、これらのことを少しでも知っていれば、その時々のムードに乗せられることがないのでは、と思ったからです。先生のお話の趣旨とはかけ離れていたかも知れませんが、地理教育の必要性を自分なりに納得した次第です。
それはともかく、地理教育現場の人材不足、予算不足、IT環境の脆弱性など、このままで良いわけがないと私も思いました。

 
 
◆ 学習指導要領が改定され、従来の大項目にあった「地形と気候」「世界の諸地域」「日本の国土と文化」などの文言は消滅しています。
そうすると、これらの内容は、どこで指導しているのか、又は、指導していないのか疑問に思っていました。
しかし、井上先生が示された年間指導計画では、実際は地形、気候は、それぞれ1か月を当てて指導しているようです。
世界の諸地域については、「国際理解と国際協力」の指導の際に触れることは可能にしても、日本というくくりの中で日本の地誌を取り上げることはないとの事。
従来の指導要領では、小学校の社会科で、中学年では市町村など基礎自治体や都道府県、高学年で日本全体の地誌を取り上げたように思います。
中学校社会科の地理的分野では日本地誌が指導内容に含まれていました。
日本地誌を指導するのは中学校が最後ということになり、「高校では日本の地理を教えていない」などと伝わると文教族の政治家が騒ぎ出しそうですね。